名古屋の成り立ち【戦災復興~現在】

名古屋は第二次世界大戦時の戦災により市域の1/4を焼失しましたが、いち早く戦災復興計画が策定され、復興に向けたまちづくりが進みました。

100メートル道路を始めとする広幅員道路の整備とあわせて、地下鉄、地下街、 テレビ塔などがつくられ、名古屋城天守閣も再建、都心の墓地を平和公園へ集中移転するなどの大胆な都市計画が実施されました。

また、周辺市町村との合併による市域の拡大とともに、 区画整理による宅地整備が進められ、郊外にも 住宅地が拡大していきました。

 

 


こうして現在の形になった名古屋市の台地を、大きく3つのグループに分けると、以下の図のようになります。


東部は、ため池などの埋め立てや、丘陵地の平坦化のための盛り土などで、軟弱な地盤が潜在しています。
また丘陵地のため、地震や大雨などで土砂崩れが発生する可能性も考えられます。


中央部は、急速に都市化が進んだ地域であるため、埋め立てによる液状化のほかに、大雨・豪雨時には内水氾濫にも注意が必要です。

南海トラフ地震で想定される被害に関して言えば、西部は特に警戒が必要な地域です。
比較的新しい地盤のため強度が弱く、地震発生時には揺れが大きくなり、液状化の可能性も非常に高いのです。
また、名古屋市の24%を占め、日本最大の海抜0m地帯でもある西部は、湿地や干潟など、水はけが悪いという特徴も持ち合わせています。
伊勢湾台風の被災時には、3ヶ月という長い期間で湛水が続いたという記録もあり、現在の予想では、南海トラフ地震発生時の津波によって、12時間~1ヶ月程度の長期湛水となる可能性が高いそうです。

 

 

現在の地震被害想定では、名古屋にくる津波は白波を伴わず海面がじわじわと上昇するため気づきにくいと言われています。
地域によっては津波到達前でも浸水する可能性もありますので、特に海岸線沿いの地域では早い避難が求められます。

 

 

最後に、これまでご紹介した、名古屋市の成り立ちから、南海トラフ地震が発生した場合に名古屋市にどのような影響が起きるのかまでがわかりやすくまとめられている名古屋市制作の「南海トラフ巨大地震被害想定映像」というYouTube動画をご紹介します。



ご参考いただき、皆様の防災にお役立ていただければと思います。

 

 

 


2021年08月26日